VSDC Video Editor 11.3では、文章から画像を生成したり、写真を短い動画に変換したり、既存の画像をAIで編集したりできます。このガイドでは、fal.aiの接続、AIモデルの選択、プロンプトの作成、生成パラメーターの設定、完成した素材をVSDCのプロジェクトに追加するまでを順番に説明します。
まず試す:VSDCで初めてAI生成を行う手順
- fal.aiでアカウントを作成し、APIキーを取得します。
- VSDCの[設定(Options)]→[インターネット接続(Internet Connection)]→[AIプロバイダー(AI Providers)]でキーを入力します。
- エディター右上の[AI]ボタンをクリックします。
- 使用するモデルと生成モードを選びます。画像か動画か、文章から作るか既存画像を使うかを指定します。
- プロンプトを入力し、[ステータス(Status)]の概算料金を確認して[生成(Generate)]をクリックします。
- 完成した画像や動画の下にある[+]を押して、プロジェクトの[リソース(Resources)]に追加します。
動画で見るVSDC 11.3の新機能
公式の32秒のリリース動画では、AIによる画像・動画生成、画像編集、GarminとDJIのテレメトリ、新しいテンプレート、キーフレーム編集の改善をご覧いただけます。
VSDCでAI生成を始める前に必要なもの
VSDCにはAI生成用の操作画面が組み込まれていますが、実際の生成処理は外部サービスfal.aiのサーバーで実行されます。VSDCからモデルやパラメーターを指定し、生成されたファイルをそのまま編集に利用できます。準備するものは次のとおりです。
- VSDC Video Editor 11.3以降(AIボタンがあるバージョン)。
- 利用したいAIモデルにアクセスできるfal.aiアカウント。
- VSDCとの接続に使用するfal.aiのAPIキー。
- インターネット接続と、有料モデルを実行する場合はfal.aiアカウントの利用可能残高。
料金の仕組み:AIモデルへのリクエストは、お客様のfal.aiアカウントを通じて処理されます。料金はモデル、解像度、画質、動画の長さなどで変わり、VSDC側で一律の生成料金を設定しているわけではありません。実行前に[ステータス(Status)]に表示される概算料金をご確認ください。利用可能なサービスや決済方法は地域によって異なる場合があります。
タイトル用の背景や説明資料の挿絵には文章から画像を生成するモードが便利です。家族写真を動かしたり商品に動きを付けたりする場合は、画像から動画を生成できるモデルを選びます。
ステップ1:fal.aiのAPIキーをVSDCに設定する
アカウントの接続は通常、最初に一度設定すれば利用できます。APIキーが未設定の場合は、VSDCに案内メッセージが表示されます。
- VSDCを起動し、画面右上の[AI]ボタンをクリックします。
- プロバイダーのAPIキーが未入力という警告が表示されたら、[OK]を押して設定方法を確認します。
- fal.aiのアカウントにログインし、APIキーを作成してコピーします。
- VSDCに戻り、[設定(Options)]→[インターネット接続(Internet Connection)]から[AIプロバイダー]の項目を開きます。
- プロバイダーにfal.aiを選び、[APIキー]欄にコピーしたキーを貼り付けて設定を保存します。
- もう一度[AI]をクリックすると、AI生成ウィンドウが開きます。



APIキーの管理にご注意ください。キーを使用すると、そのアカウントから生成リクエストを送信できます。画面写真やコメント、公開資料にキーを載せないでください。漏えいした場合はfal.ai側でキーを再発行し、VSDCの設定も更新してください。
ステップ2:AI生成ウィンドウの使い方
VSDC AI Studioのウィンドウでは、モデル選択、プロンプト入力、生成設定、チャット履歴、生成結果をまとめて管理できます。以前の作業を再開するときにも便利です。
- 左側パネル(チャット):過去の会話と新規生成ボタンがあります。各チャットにはプロンプトと生成結果の履歴が残ります。
- 上部(プロバイダー・モデル・ステータス):利用するサービスとモデルを選び、モデル情報や概算料金を確認します。
- 入力エリア:画像/動画の切り替え、生成方法の選択、プロンプト入力、各種パラメーターの設定を行います。
- 生成結果:作成された画像や動画がチャット内に表示され、再編集・再生成・取り込みなどの操作ができます。

チャット履歴を整理する方法
用途ごとに別のチャットを作ると管理しやすくなります。たとえば「会議資料の背景」「誕生日動画」「料理動画の挿絵」などです。後で見つけやすいようにチャット名を変更できます。[新しい生成(New Generation)]は元画像のない空のチャットを作成します。特定の写真を使う場合は、後述の[リソース]ウィンドウからその写真を指定してチャットを開きます。


削除したチャットは復元できません。必要な画像や動画は、チャットを削除する前にパソコンへ保存するか、VSDCのリソースに追加してください。
ステップ3:AIモデルを選び、料金を確認する
[プロバイダー(Provider)]でfal.aiを選び、[モデル(Model)]の一覧を開きます。モデルによって得意な処理が異なるため、サンプル画像の見た目だけで選ばないようにしましょう。
高速な画像生成
構図や背景を試す段階では、処理が比較的速いモデルが便利です。
高品質な画像生成
写真のような描写や細部を重視する場合は、目的に合った高品質モデルを選びます。
文章からの動画生成
元画像なしで短い導入映像やシーンを作るには、文章→動画に対応するモデルを選びます。
写真の動画化
静止画に動きを付ける場合は、画像→動画に対応するモデルを選びます。
対応モード、出力の解像度、生成速度、料金、詳細設定はモデルごとに異なります。また、fal.aiには音声など他のメディアを扱うモデルもありますが、fal.aiの全モデルがVSDCから直接利用できるとは限りません。
[ステータス]でモデル情報と概算料金を確認
[ステータス(Status)]の領域をクリックすると、fal.aiのサイトで選択したモデルの説明を確認できます。VSDC上には生成の概算料金も表示されます。解像度や動画の長さ、品質を変更したときは、料金が変わることがあるため再確認してください。

生成費用を抑えるコツ:初めは短いプロンプトと標準的な設定で構図を確認し、必要に応じて解像度や品質を上げましょう。生成し直すたびに別のリクエストとして処理され、追加料金が発生する場合があります。
ステップ4:文章→画像・画像→画像・文章→動画・画像→動画を選ぶ
最初に作成したいものが画像か動画かを選びます。動画生成へ切り替えるにはビデオカメラのアイコンをクリックします。その後、モデルがサポートしている生成モードを指定します。
文章 → 画像(Text-to-Image)
文章の説明から新しい画像を作成します。
用途: 動画の表紙、タイトル背景、プレゼン資料の挿絵。
画像 → 画像(Image-to-Image)
既存の画像を文章の指示に従って編集します。
用途: 背景の差し替え、照明の変更、写真の雰囲気の調整。
文章 → 動画(Text-to-Video)
対応モデルを使い、文章だけから短い動画を生成します。
用途: オープニング、場面転換用の短い素材、雰囲気を伝える映像。
画像 → 動画(Image-to-Video)
元になる画像に動きを加えて動画にします。
用途: 写真のアニメーション、緩やかなカメラ移動、商品紹介。

画像を使うモードでは、どの写真が選ばれますか?
画像→画像と画像→動画では、既定で現在のチャットの最後の画像が元画像として使われます。新しい空のチャットには画像がないため、元画像が追加されるまでこれらのモードを利用できません。既存のプロジェクト写真を使いたい場合は、ステップ7に従ってリソースウィンドウからチャットを開いてください。
ステップ5:プロンプトを作成し、生成パラメーターを設定する
プロンプト(prompt)とは、生成してほしい画像や動画を文章で説明した指示文です。プログラミングの知識は必要ありません。被写体、背景、動作、画風、構図を具体的に記述しましょう。動画では、被写体とカメラの動きも指定します。
漠然とした説明を具体的なプロンプトにする
具体的な文章には、色、光、写真の雰囲気、画面比率、タイトルの配置場所が含まれています。ただし、AIが各要素を指定どおりの位置に配置するとは限りません。正確な文字や企業ロゴは、生成後にVSDCで追加することをおすすめします。
[生成]を押す前に確認する設定
アスペクト比
一般的に16:9は横長の動画、9:16は縦型ショート動画、1:1は正方形の投稿に使います。選べる比率はモデルによって異なります。
解像度
画像や動画の出力サイズを決めます。高解像度ほど処理時間や料金が増える場合があります。
Seed(シード値)
生成結果のランダム性に影響する数値です。同じSeed・プロンプト・設定を使うと似た結果を得られる場合がありますが、完全一致するとは限りません。
画質
モデルが対応している場合、出力品質に関する設定を調整できます。高品質設定を選ぶ際は料金も確認してください。
背景と追加パラメーター
モデルによって利用できる項目が異なります。実際に表示されている設定のみを使用してください。
設定が終わったら[ステータス]で費用を確認し、[生成(Generate)]をクリックします。処理はfal.ai側で行われ、所要時間はモデルや設定、サービスの混雑状況で変わります。結果がすぐに表示されなくても、同じボタンを繰り返し押さず完了まで待ちましょう。
プロンプトの言語:日本語への対応状況はモデルによって異なります。出力が意図と違う場合は日本語の指示を具体化するか、英語のプロンプトも試してください。
ステップ6:生成結果を編集・保存・プロジェクトに追加する
処理が完了すると、画像や動画が現在のチャットに表示されます。そのままプロジェクトへ取り込むことも、AIで再編集・再生成することもできます。

チャット履歴に関する3つのコマンドの違い
- [このメディアで新しいチャットを開始]:選んだ画像または動画を引き継いだ新しいチャットを作ります。
- [メッセージを新しいチャットにコピー]:現在のチャットのメッセージ履歴を複製した新しいチャットを作ります。
- [新しい生成]:元画像のない空のチャットを作成します。
生成ファイルの保存と、ダウンロード後に見つからない場合
その他の操作メニューからパソコンへの保存を選択します。保存したファイルの日付がダウンロード日ではなく生成日になることがあります。昨日作った画像を今日ダウンロードした場合、ファイル一覧で昨日の日付として表示される可能性があります。見つからない場合は生成した日付で探してください。
生成した素材をVSDCの通常の編集機能で使う
[リソース]に追加された画像や動画は、通常のメディアファイルと同じように編集できます。画像を動画のタイトル背景に使ったり、文字、アニメーション、マスク、カラー補正を加えたりできます。動画なら必要な部分だけをトリミングし、自分で撮影した映像や音楽、字幕、トランジションと組み合わせられます。
ステップ7:リソースウィンドウから自分の写真をAI編集する
新しく画像を作るだけでなく、手元にある写真をAIで編集することもできます。商品写真の背景変更、家族写真の調整、資料に使う画像の加工などに利用できます。
- 編集したい写真をVSDCのプロジェクトに追加します。
- [リソース(Resources)]ウィンドウで写真を見つけ、右クリックします。
- コンテキストメニューから[AI生成チャット(AI Generation Chat)]を開きます。
- [このメディアで新しいチャット(New chat with this media)]を選びます。以前このファイルを使ったチャットがある場合は[このメディアのチャットを続行]を選べます。
- 目的に応じて画像→画像または画像→動画を選び、対応モデルを指定します。
- プロンプトを入力して設定と料金を確認し、[生成]を実行します。完了したら結果をVSDCのリソースに追加します。

コマンドの違いに注意:単なる[新しいチャット]は元画像のない空のチャットになります。選択した写真を引き継ぐには、必ず[このメディアで新しいチャット]を使ってください。
仕事や日常で使えるAI生成の実例
AI生成は高度な映像表現だけでなく、職場の資料づくりや家族向け動画、料理コンテンツ、商品の紹介にも役立ちます。ここでは、実際に操作を進められる4つの例とプロンプトを紹介します。
例1:仕事のプレゼン動画にオープニングを付ける
月次報告や社内研修の動画に、短いオープニング映像を付けたい場合を考えます。別途オフィスの映像を撮影しなくても、背景画像をAIで作成できます。
- AI Studioで文章→画像を選び、対応するモデルを指定します。
- タイトルを配置できる余白を含めて、背景の雰囲気や色合いを説明します。
- 複数の候補を生成し、適切な画像をVSDCのリソースに追加します。
- タイムライン上で会社名、報告書のタイトル、日付、ロゴをVSDCのテキスト機能で入れ、必要に応じてフェードインを付けます。
大きな窓のある明るいモダンな会議室、柔らかな自然光、落ち着いた青とグレーの色調、リアルな写真表現、横長、右側に見出し用の余白、文字とロゴは入れない。
背景画像を再利用すれば、次回以降はタイトルや日付を差し替えるだけで統一感のある動画を作れます。
例2:家族写真を動かして誕生日の動画を作る
お気に入りの家族写真を短い動画に変え、誕生日メッセージに使う例です。AIで小さな動きを付けた後、VSDCでほかの写真や音楽と組み合わせます。
- 写真をVSDCのリソースに読み込みます。
- [AI生成チャット]→[このメディアで新しいチャット]を選びます。
- 画像→動画に対応するモデルを選びます。
- 控えめなカメラ移動をプロンプトで指定し、生成した動画をタイムラインへ追加して文字と音楽を付けます。
写真に対してゆっくり滑らかにカメラが近づく。柔らかな自然光、背景のわずかな動き、人物の顔と元の構図を保つ。急な動きや新しい人物の追加はしない。
元の写真はfal.aiに送信されて処理されます。お子さまの写真や個人情報を含む画像を使うときは、外部サービスへ送信してよい素材か確認してください。
例3:料理動画のサムネイル用画像を作る
料理を作る過程は撮影したものの、完成した料理のきれいな写真がないときに使える方法です。AIでメニューに合ったイメージ画像を作成します。
- AI Studioの文章→画像を選びます。
- 料理、皿、背景、光、撮影角度、タイトルの余白を説明します。
- 画像を数種類生成して最適なものを選び、VSDCのリソースに取り込みます。
- 画像の上に料理名をテキストで追加し、実際の調理映像へつなぎます。
明るい木製のキッチンカウンターに置かれた手作りのアップルパイ。窓から差し込む朝の光、45度からの撮影、温かく自然な雰囲気。上部に料理名を配置できる余白、文字なし。
販売する料理や商品の外観を正確に示す必要がある場合は、実物の写真を使い、AIは背景や装飾の作成に利用してください。
例4:商品写真の背景を変更して紹介動画を作る
商品の写真の背景が雑然としている場合は、画像→画像の生成で背景を整理してから短い紹介動画にまとめられます。
- 商品写真をVSDCのリソースに追加し、このメディアで新しいチャットを開きます。
- 画像→画像に対応した編集モデルを選びます。
- 商品の形、色、細部を変えずに背景だけを変更するよう指示します。
- 完成画像を元写真と照合し、問題がなければVSDCへ追加します。商品名、実際の価格、連絡先を文字で載せます。
商品の形状、色、細部を変更しない。背景を明るく落ち着いた室内に置き換える。柔らかなスタジオ照明と自然な影を追加する。文字、ロゴ、余分な部品は作らない。
AIによって細部が変化することがあるため、公開前には必ず元の写真と比較してください。
AI生成が始まらないときの確認項目
問題が起きた場合は、まずどの段階で処理が止まったかを確認してください。主な確認項目は次のとおりです。
- APIキー未設定の警告が表示される: [設定]→[インターネット接続]でfal.aiのAPIキーが入力・保存されているか確認します。
- AIウィンドウは開くが生成されない: インターネット接続、キーの有効性、fal.aiの残高、選んだモデルと生成モードの対応状況を確認します。
- 画像→動画を選択できない: 現在のチャットに元画像があるか、モデルが画像→動画に対応するか確認します。手元の写真を使う場合はリソースからチャットを開始します。
- 生成画像がイメージと違う: 被写体、光、構図、視点を具体的に書き、矛盾する指示を避けてください。必要ならモデルを変更します。
- 動画の動きが激しすぎる: 次のプロンプトで、被写体とカメラの動きを「ゆっくり」「控えめに」と指定してください。
- 想定より料金が高い: モデル、解像度、動画の長さ、品質を再確認してください。再生成にも料金がかかる場合があります。
- 生成ファイルがタイムラインにない: 結果の下にある[+]でリソースに追加し、そこからタイムラインに配置してください。
- ダウンロードしたファイルが見つからない: ファイルの日付がダウンロード日ではなく生成日になっている可能性があります。生成した日付で探してください。
解決しない場合はVSDCサポートへ、使用中のバージョン、モデル名、生成モード、エラーメッセージをお知らせください。APIキーは送信しないでください。
VSDC AI Studioとfal.aiのよくある質問
動画編集の初心者でもVSDCのAIを使えますか?
はい。fal.aiを接続し、モデルと生成モードを選んでプロンプトを入力するだけで生成を始められます。完成したファイルはリソースからタイムラインへ配置できます。
AIを使うために別のソフトをインストールする必要はありますか?
いいえ。VSDC 11.3にはAI Studioが組み込まれています。fal.aiアカウント、APIキー、インターネット接続は必要です。
VSDCのAI画像・動画生成は無料ですか?
AI生成の操作機能はVSDCに搭載されていますが、生成処理はfal.aiで行われ、プロバイダーの料金体系に従って課金されます。実行前に概算料金を確認してください。
自分の写真をAIで動画にできますか?
できます。写真をリソースに追加し、このメディアで新しいチャットを開き、画像→動画に対応するモデルで動きを指定します。
新しいチャットで画像を使うモードが選べないのはなぜですか?
空のチャットには元画像がないためです。先に画像を生成するか、リソースから既存の写真を指定してチャットを開始してください。
Seedとは何ですか?
生成時のランダム性に影響する数値です。同じ設定とSeedで似た結果が得られる場合がありますが、完全に同じ結果になる保証はありません。
AIで作成した動画や画像はVSDCで通常どおり編集できますか?
はい。[+]でリソースに追加すれば、トリミング、テキスト、エフェクト、トランジション、カラー補正などを利用できます。
以前に生成した画像の編集を続けられますか?
はい。該当するチャットを開き、プロンプトの編集、再生成、元メディアを引き継いだ新しいチャットの作成ができます。
チャットを削除するとどうなりますか?
削除したチャットの履歴は復元できません。必要な結果は削除前に保存またはリソースへ追加してください。
自分の写真は外部サービスに送信されますか?
はい。元画像として使う場合、生成・編集の処理のためfal.aiへ送信されます。機密情報や個人情報のある画像は、送信前にサービスのプライバシーポリシーをご確認ください。
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